Serendipity

睡眠と太陽とおいしいごはんがあればそれでしあわせ。ときどき本や映画の話。

【長野】まったりパワースポット巡り!年越しふたり旅1

 

年末年始は、長野へ。
「行ったことがなくて、陸路で行けて、年末年始に行っても見るものがあるところ!」というくくりで行き先を決定。直前になって天気予報を見てみたら、マイナス7度の表記。信州さむいぞと、クローゼットを引っ掻き回し出来る限りの防寒を仕込む。http://instagram.com/p/xPHZLsuhlj/

 

そして編み掛けの靴下に着手したら、長年理解できなかったかかとの部分がすっと理解できて無事に完成!防寒のお供とする。

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新宿駅からバスで4時間弱、長野駅前に到着。善光寺近くまで散策。

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近代建築好きにはぐっとくる藤屋旅館

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職人さんの手打ち姿を窓越しに眺められるかどの大丸で年越し蕎麦。善光寺近くにはたくさんの信州蕎麦屋さんがある。手描きのマップがとってもかわいい。

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このあとうるおい館で温泉に入り、ホテルで紅白待機。一緒にいった友だちとは、かれこれ15年近くの付き合いで、年末年始にこうしてふたりで旅行をするのももう5回目ぐらい。紅白なんて見ないよ!なスネた時期もあったけど、ここ数年はエンターテイメントのひとつとしてとっても楽しみにしている紅白歌合戦であります。

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ごはん食べるのが早すぎたので、おなかすいたな〜ってことでホテルを抜け出して中華そば。濃い色のスープなのに味はあっさり。外は大雪の大晦日なのに、ちらほらと現れるお客さん。寒いと食べたくなるよね、らーめん。

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長野でおみやげを買うたびに、紙に包んでくれた。この水色いいなあ。グラフィカル、こういうの収集したい。ゆく年来る年を眺めて、0:30には完全就寝していた年明けでしたとさ。

 

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【日々のできごと】年末は、海へ(いまさらだけど書く)

一度離れるとなかなか戻ってこれないということは、ブログ以外にもよく経験していることである。喧嘩して、ごめんねって自分からいい出せなくて、なんとなく疎遠になっちゃうような感じ(ちょっと違うか)

なにはともあれいろいろあったので、振り返ります。

2014年末、そば打ちするからおいでよ!と逗子までお呼ばれ。誘ってくれたともだち以外誰ひとり知らないという場なのに、遅れてくる友人あるある。このそば打ち会、今年で3回目だそうでそば粉も信州からお取り寄せという気合いの入った会だった。http://instagram.com/p/xHAUb7Ohsj/つるりーん。そばは切るのがむずかしい。ぞぞぞっと吸えるおそばができました。満点!むかしは完全なるうどん党だったけど、近ごろそばが好きだ。

 

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家族も交えて話が盛り上がり、急遽そのままお泊まり。1週間前に新しくしたというピカピカのお風呂に入れてもらい大満足。歩いて10分の海へ。

http://instagram.com/p/xI4YRjOhmM/

あれやこれやと話しながら、海に辿り着いたものを拾うビーチコーミングタイム。いちばんの収穫は、四国を発見したこと。この海の向こう(ちょっと右の方)に、恋しき四国が存在している。

 

http://instagram.com/p/xJN41rOhgN/

甘いおじさん、マーロウの名物・手作りビーカープリンを食べる。メンズを含む全員があっさり食べきっていたけど、私は結構苦戦した。瓶はお持ち帰りできるよ。

http://instagram.com/p/zE8vMeuhmL/

 

つい先日、このとき拾ってきたものを写真に収めた。真ん中の黄色い魚は、長崎・波佐見焼きのブランド、Pebble Ceramic Design Studioのもの。私はどうやらマットなものがすきらしい。

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なにかの折に思い出してくれて、あそぼうって誘ってくれるのはうれしいなあ。ごはんもみんなで食べるとおいしい。年末にぐーんとエナジーチャージ。いまでも眩しいいい1日だった。 

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【映画】知識欲がむくむくと刺激される!『千年の一滴 だし しょうゆ』※ネタバレ少しあり

いい映像を堪能ほくほく。はるばる東中野まで行った甲斐あり。

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フランス料理の主人公はシェフ。しかし和食は・・・日本列島そのものが料理人だ

ポレポレ東中野で上映中の日仏合作ドキュメンタリー、『千年の一滴 だし しょうゆ』。日本人と自然との関係が、食を切り口に2章に分けて展開されている。

第1章:黄金色に輝くだし

1章で紹介されるのは、「だし」。だしというのは、”とる”ものではなく”ひく”ものである。それはさまざまな素材のよさを”引き出す”ことに由来するのだそう。北海道の昆布漁師、鹿児島の鰹節職人(鰹節は捌いて、煮て、燻して、カビを生やし、晴れた日に太陽のもとにさらすこと4回、半年の時間をかけてつくられる!)、肉食を口にしない禅寺、だしとの対話、成分を分析する科学者、焼き畑をしてしいたけを栽培する農家、など日本列島が持つ豊かな自然と、食にまつわるさまざまな人が登場する。

第2章:日本にしか存在しない菌、麹

目からウロコがぽろぽろと落ちたのは2章で紹介された『しょうゆ』。
日本料理の調味料は、醤油、酒、みりん、味噌。この4つに共通しているのは”麹”という菌の存在だ。この麹というもの、先日ひょんなことから島根県は出雲で日本酒を仕込んだときに大変お世話になったのだけど(改めてブログに書きたい)日本にしか存在しない菌なのだという。それは一体なぜ? 長年研究を進めてきたところひとつの説が浮上してきたのだそう。

麹菌というのは日本人がつくりだしたものではないのか 

今から800年前より酒造りを行ってきた日本。自然界より抽出したさまざまな菌を使って酒を醸造していた。毎年そのなかで美味しいものを選び淘汰していくことでひとつの菌が残る。これが麹菌(アスペルギルス・オリゼ)の原型といわれている。この原型にはもともと外的から身を守るために毒を発するDNAがあった。しかし、長年の酒造を外敵のいない酒蔵で続けてきた結果、毒素のDNAがすっぽり抜け落ちた。さらに突然変異によって、本来胞子に対してひとつの核が、この菌に関しては多いもので10個存在するものに。その結果、菌の保存力が強まり日本中で用いられさまざまな調味料を生み出してきたのではないかというのだ。

いや〜、ロマン!進化なのか退化なのか!
そしてその麹を800年ものあいだ絶やさずに培養してきた種麹屋さん(もやし屋さん)が出てくるのだけどこれがまたなんともかっこよい。代々続いてきたものを、自分の代で絶やさないようにと責任とプレッシャーを背負いながら粛々と命をつないでいく。その姿たるや、まるでヒーローのようだった。いま日本にもやし屋さんは10軒しかないのだそう。

http://instagram.com/p/x7z6VZuhtc/

年が明けて、日本酒を仕込み、醸造文化に触れたと思ったら、パン作りをして発酵文化にも触れて、出雲ではひたすら『夏子の酒』を読みふけり(名作!)、そんなこんなで出会った今回の映画。身にびしびし感じられてとても興味深い一作でした。

 

 仕込みを手伝わせていただいたお酒、2月14日、15日は搾り、瓶詰め、ラベル貼り、そして待望の初呑みです。参加費5000円(交通費別途)で1泊3食、四合瓶3本の日本酒つきという超格安パックにて、参加者募集しております〜


余談ですが。一緒に映画を観た人が「きちんとつくっている蔵本を紹介しているということが日本人には分かるけれど、これを観た外国人に大手が大型タンクでつくるお酒やお醤油もこの映画と同じように丁寧に作られているのかと思わせてしまう危うさもはらんでいるね」とつぶやいたので、なるほどなと思いました。誘導されるがままではなく、取捨選択。一概に大手のつくりが悪いともいえないしね。しかし映る京都の風景は、ド・ベタな日本風景だったのが少し気になりました。その違和感はあるにしても、「へぇ〜!」が満載な映画でした。ポレポレ東中野、2人で行くとペア割りで1100円になるよ!

2015年、おめでとうございます

年始のご挨拶遅れましたが私は元気です。怒濤の年明けがほっと一段落してまたブログや読書も再会しようとしている所存。今年もおつきあいよろしくお願いいたします! 

ぼちぼち年末の写真を放出。

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餅、ぱちくり。

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カラフルはたのしい。むかしは合成着色料に嫌悪感があったけど、こういうのもたまにはいいなと思う。たまには。

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徳島でお世話になっていたお姉さんから届いたクリスマスカードとゆずジャム。

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10年来の友人から毎年届くクリスマスプレゼント。

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勢いでミシンをはじめたら、たのしくなってきた。

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おいしいものをたくさん食べて、太陽を浴びて、健康的でやさしくていつも笑っている人でありたいです。

【本】なんて瑞々しい感性。食エッセイではなくてもはや文学『生まれた時からアルデンテ』

 遅ればせながら読んだよ。平成生まれ生粋のごはん狂(pure foodie)、小学生のときから食日記をつけていたという平野紗季子さんの本『生まれた時からアルデンテ』

生まれた時からアルデンテ

生まれた時からアルデンテ

 

 このタイトルからして何度でも口にしたくなる軽やかさ。

といいつつも、実は本屋で何度も読むか読まぬか逡巡した。最初に開いたときは、そのおもしろさがまだわからなくて、でも何回も開くうちに「あれ、手元でじっくり読みたいかも」と思うようになった。そしてこの本を持ち歩いていたら、ひとりの外食がちっとも怖くなくなった。食事が来るまでの間、携帯を開くのではなく本を開く。小難しい本だと少しの時間に本のなかにトリップすることが難しかったりするのだけど、この本は一章一章が短いから隙間時間にさっと読める。そして一章ごとの区切りが気持ちよいので、どうぞと届けられた温かいごちそうに温かいうちに向かえる。満員電車のなかで必至に読むよりも少し広い空間で読むのに向いていると思う。

私はアートやデザイン業界の片隅に足を突っ込んだりしているもので、ある意味でアートやデザインは一部だけの楽しみみたいになっている状況に弱さを感じていて、かたや食はないと生きていけない、命に直結するものだからコンテンツとして強いなあと常々思っていた。でも平野さんは料理は弱いという。

時代の文脈やそれぞれの哲学があってこそ、料理は生まれるし、変わってくんですね。でもそれってあんまり食べてには伝わらないことのような気がして。(中略)その微妙さが、例えば、現代アートや映画をみるように、作品それぞれに解説があったり、パンフレットがあったりして、コンセプト込みで楽しむ芸術に比べて弱いなって思ったんですよ、料理って。出てきたらとにかくすぐ食べちゃうし(笑)。舌で思想は食べれるのかなって思う。

なるほど。たしかに食べるということは日常化しすぎていて、いちいちそこに思想や哲学まで考えが及ばない。マクドナルドだって、すき家だって、なだ万だって、うかい亭だって、安い・高いではなくそこには時代の文脈や哲学があるのかもしれない。

こういった食への姿勢から、ビジュアル的な発見、食べるという行為のなかでのエピソード、文学からの考察などなど平野さんのその切り取り方はどれも新鮮だ。なかでも次のページをめくるのにドキドキしてしまう、ロイヤルホストの遅番紳士小林さん(仮)を追った執念の記録「ロイヤルホストのホスってホスピタリティのホスですか?」は本当に秀逸。笑えて、新たな視点をくれて、知識も増えて、読み応えたっぷりの一冊である。

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私は、「発見/散財レストラン/Libertable」のなかにでてくるこのことばがとてもすき。茶色い3ピースのスーツを着てステッキを持った老紳士に諭されているかのような温かみのある文章。書いているのは23歳の女の子なのだがね。

ちいさな散財がしたくなったら、
迷わずレストランの門を叩こう。
必ず新しい世界に連れ出してくれるし、
いつの間にか埃をかぶる雑貨より、消えてなくなる料理はすがすがしい。
それに、孤食女子に対して驚くほど優しく気を遣ってくれる点など、
とても嬉しいものだよ。

この本、大半はすでにブログで掲載されているものをまとめげたものなのだけど、WEBという自由な体裁において広がっていた世界を本というある程度制約がある場へ本当に見事に転化しているなあと思う。編集さんとデザイナーさんの力も感じずにはいられない。編集はグルメエディター小出真由子さん、デザインは大島依提亜さん。

 

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【宇都宮】ブラジルコーヒー再び!無料WIFI完備、昔ながらの喫茶店

ひょんなことから宇都宮記事パート4(はそれぞれこちら)

雨が降ってきたしお腹も空いたので宇都宮観光をおわりにして再び、ブラジルコーヒーへお邪魔したよ。今回は、朝空いていなかった県庁前店へ。


もちろんここもWIFI完備。駅前店のように延長コード公開式ではなかったので、電源の近くに着席。空腹絶倒のためお食事メニューからオムライスをチョイス。ほかにはカレーライス、焼きそば、海老グラタン、エビドリア、ナポリタンという満点ラインナップ(喫茶店で食べる焼きそばってそそられる)。

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概出のとおりコーヒーが苦手なのでスープメニューにしてもらった。サラダのボリュームといい、ケチャップのかけ方といい、じわじわくる。これは「ごちそう」だ。チキンライスにグリンピースが入っているのもよかった。昔ながら、の感じがして。

お隣さんは仕事休憩中のメンズ集団だったのだけど、臆することなくパフェを頼んでいた。It's perfect!(パフェの語源がパーフェクトであるというのは『生まれた時からアルデンテ』で仕入れた知識)

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渋い店内。カウンターでマスターがコーヒーを入れていた。路面側はコーヒー豆の直売所。1階と中2階があり、この中2階が船のなかにいるみたいでおそらく男性のロマンを刺激する。

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「ガチャーン」て音がするレジ、もといレジスター。いいレジですねと声をかけたら「44年ものなの。壊れたらもう直らないかもね。いい音がするでしょう」と奥さんがにこやかに笑った。飲み物をサーヴするときに、おいしい飲み方をさらりと伝えていたり、コーヒーについての話をしてくれたり。なんだか今日は喫茶店が好きになった1日だった。

珈琲専門店BC 栃木県庁前店

栃木県宇都宮市本町13-16 飯野ビル1F
028-621-8074
7:30~23:00 

http://bcshop.coffee/kenchomae

 

---おまけ---

来たからには餃子も食べました@みんみん。焼き餃子、水餃子、揚げ餃子、ごはん、ビールの5つしかメニューがないシンプルなお店。それぞれの餃子を1皿ずつ頼んで分けっこ。私は水餃子がすき。餃子は1皿230円、ごはんは100円。究極のファストフード。

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餃子 宇都宮みんみん

宇都宮市馬場通り4-2-3
028-622-5789
11:30~20:00 火曜日休
http://www.minmin.co.jp/

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【宇都宮】細かな意匠に心がときめく|栃木県庁昭和館に行ってきたよ

ひょんなことから宇都宮記事パート3(はそれぞれこちら)

大谷資料館のあと時間が余っていたので無料公開されている栃木県庁昭和館へ。設計者は、日比谷公会堂早稲田大学大隈記念講堂の設計で知られる佐藤功一氏。昭和38年から約65年間使われてきた4代目県庁舎を、5代目を建設するにあたって移設・復元したもの。

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玄関ホールを抜けると明るい光が差し込む。

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4階にある正庁。ふわふわの絨毯と、存在感はあるのだけど主張しすぎない落ち着いた装飾に、思わず声をあげた。

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廊下。彫りの入ったタイルが壁に巡らされている。

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3階の貴賓室。床はなんと寄木細工。

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喫茶スペース。平日はふくしレストランとしてランチも提供してくれるそう。

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細かな意匠にも工夫がたっぷり凝らされている。足下の階数表記。

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左上から廊下の壁に使われているタイル。正調庁の絨毯、天井装飾、壁紙。

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階段部分のステンドグラス、建設当時の図面を参考に復元した手摺飾り、非常口の採光にまで気を遣っている。凝らされた工夫に目を向けると、宝探しのようにわくわくする。餃子だけじゃないぞ、宇都宮。

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数ある装飾のなかでいちばんときめいたのはこれ。正庁のドア。go to heaven.

栃木県庁 昭和館

宇都宮市塙田1-1-20 ※栃木県庁と同じ敷地内

平日8:30〜17:15まで(土日祝は午前10:00〜)
開館日の確認はこちら

 

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