Serendipity

睡眠と太陽とおいしいごはんがあればそれでしあわせ。ときどき本や映画の話。

【Russia】魅惑の大地、ロシアにまつわる映画や本たち:書籍編

もしかしたらロシアに行くかもしれない人のために、もしかしたら少しは役に立つかもしれない、私がロシア知識を深めたあれこれ【書籍編】

年末にロシアに行ってきました。

しかしまあ、なんとも広大な土地であるのに(だって10時間半のフライト、飛んでも飛んでもロシア上空だったよ)極東の日本で手に入れられるロシア情報の少ないことこの上なし。ほぼ唯一かつ確実な情報源、地球の歩き方ですら3軒ぐらい本屋さんを巡ってやっとゲットした。

そんなわけで、ロシアに行くにあたって参考にしたり、帰ってきてから広がった興味を少しずつ載せていこうと思います(2016年1月11日作成)。

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ロシアを知る本

まずはトラベルカルチャーマガジン・TRANSITのロシア特集。
それまで見えていなかったロシアという土地が、少し見えた本。行く前にも読んだけれど、少し知識を得た上で帰国してから読むとまたちがう見え方をする。地理、歴史、宇宙、ロマノフ王朝、民藝……ロシアマニアにはたまらぬ一冊(といいつつ手に入れていません、今年絶対手に入れよう)。

A31 地球の歩き方 ロシア 2014~2015 (ガイドブック)

A31 地球の歩き方 ロシア 2014~2015 (ガイドブック)

 

いわずと知れた地球の歩き方も。あれだけ広大な土地なのに、ロシア全土で1冊しか発行されていないのだから、未開の地もきっと多数あるのだろうなあ。いつかシベリア鉄道にも乗ってみたい。

女帝エカテリーナ (1) (中公文庫―コミック版)
 

ロシア最大の女帝と謳われる、ロマノフ王朝・エカチェリーナ二世の伝記漫画。作画は『ベルサイユの薔薇』の池田理代子さん。

事前にしっかりと読み込んで行ったのは、この1冊だけ。上記2冊は、事前にも読んだけれどどちらかというと、帰国後に現地で知ったことの知識を深めるのに使った感じ。

この漫画は読んでから行って本当によかった!世界三大美術館のエルミタージュ美術館や、ボリショイ劇場の建設を進めたのもエカチェリーナ二世だし(野蛮な国と思われていたロシアを、芸術や教養にも溢れている国というイメージに変換した功績がある)、旅先となったエカチェリーナ宮殿夏の庭園は、彼女が生きていた証がそのまま体現されている場所。ガイドさんの話にも、その名前は数多くでてきたし、ロシアの近代化に一役買ったのは間違いなくこの人であるというのがよくわかる。

サンクト・ペテルブルグ―よみがえった幻想都市 (中公新書)

サンクト・ペテルブルグ―よみがえった幻想都市 (中公新書)

 

ちょっとお堅いこちらも読んだ。
サンクトペテルブルグは水の都で、300年前に遷都されて以来何度も水害に悩まされた人工都市だということを知った。その上で、街を眺めるとたしかに至るところに川がありそのどれもがなみなみの水量を誇り、これはたしかにすぐに氾濫しそうだ……と思う。なにもなかった土地に、あれだけの街をつくりあげた歴史が世界でも類を見ずおもしろい。

ロシアと雑貨~ラブリーをさがす55の旅~

ロシアと雑貨~ラブリーをさがす55の旅~

 

当初は個人旅行にしようとしていたので(ビザをとる大変さ、値段の検討の結果、パッケージツアーを利用したのだが)、マーケットにも行きたいね、雑貨探しをしたいね、ということで見つけた本。奈良でカナカナというカフェを営む井岡美保さんによる1冊。装幀が大島依提亜さんなのもツボ。

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

 

TRANSITを読んで知った、ロシア語通訳・米原万里さんによる初エッセイ。
この本はロシアの話というよりかは、通訳について論じており、言語という壁や、同言語であっても言葉を使ったコミュニケーションを主とする人には身につまる話がてんこもり。書かれている内容のおもしろさもさることながら、米原さんの着眼点や論じ方も興味深く、ほかの本についても現在取り寄せ中。

米原さんについて知りたかったらまずはこちらがオススメ。
これを読んでから『不実な〜』を読むと、よりわかりやすいはず。話の引き出し方にリズムがあって、改めて糸井さんもすばらしい“訳者”であるなあと思う。

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思いのほかボリューミーになったので、【映画編】についてはまた別途!
Пока!(ロシア語で「じゃあね」の意味。発音は、パカ!)