Serendipity

睡眠と太陽とおいしいごはんがあればそれでしあわせ。ときどき本や映画の話。

【本】明日は我が身、他人ごととも思い切れない|失職女子。

Twitterで流れてきた『失職女子。』を読んだよ。

明日はあなたかも!
100社連続不採用、貯金ゼロ。
ホームレスになるかもしれない…。
生きるための選択肢は、借金か風俗か自死か、行政に頼るか。
能力もキャリアもあり、働く意思も強い女性がなぜそこまで追い詰められたのか!
働きたいのに、働けない。
そんなときあなたはどの道を選びますか?
でも私は、生きていたいと必死に生きる現役の生活保護受給女子による貧困のリアルと、サバイバル術。
失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで

失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで

 

いやあ、他人事じゃないなと思った。

小山健さんのキャッチーなイラストと、どういうこと?っていう副題とで単純に「おもしろそう」と読みはじめたのだけど、読み終わったときに現れた感情は「危機感」とある種の「安心感」だった。たとえばなにか良くないことが起きたとき、気が動転してその結果ますますおかしな方向に走り出したりしてしまうことがある。でもそういう時に大切なのはまずは落ち着くこと、落ち着ける環境(本のなかの言葉を借りると「溜め」)を取り戻すことなのだろう。

可能性は限りなく少ないもしもであってほしいけれど、でも、もしも、なにかあったときには落ち着いてまずはこの本を取り出せばいい、と思える安心感を与えてくれた。もちろんなにもないのが一番ではあるけれど、必要とされている仕事よりも労働人口のほうが多いこのご時世、ないとも言い切れないなと。

---

有事のときに、知識をつけようとする著者の向学心は見習いたい。これだけ向学心があって、文章力もあるのになぜ100社に採用されないのかと思わずもいられないが、かたやそういう現実もあるのだろう。

それにしても、30代が発するからこそリアルなんだけど、タイトルに「女子」ってつけちゃうのは見事な販売戦略だなあと思うし、少し騙された感。途中まで勝手に20代後半の女子の話だと思っていたよ。女子って何歳まで通用するんですかね。

 

関連記事